息子の誕生日、親の誕生日

 

「明日、お休みらしいよ。

多分、誕生日休暇じゃない?」

 

「羨ましいな・・・。」

 

昨晩、そんな夫婦の会話を。

 

 

二十数年前、1月だと言うのに

その日だけは、暖かく、

少し早い春の陽気に

病室はポカポカ。

 

彼が誕生したのは、

入院して、わずか数時間後。

 

 

なんとも愛らしく手足を動かす彼を

いつまでも眺めていたくて、

新生児室の前から動けなかったなぁ。

(病院にいる間ですよね、こんな悠長な気持ちは。(笑))

 

 

 

子供の誕生日って、

上の子なら、一人目の親としての、

二番目の子なら、

二人の子供の親としての

成長も表していると思うと

 

 

今日は、わたしたち親の

誕生日でもあるのですよね。

 

 

真っ暗の中で

二人で雪合戦をした保育園時代。

 

 

野球の試合

ヒットを打てず、

パパの特訓を受けたり、

 

希望していた高校に

合格した時の喜びもつかの間

体調不良で

転校を余儀なくされたり。

 

学校さぼって、

東京に親子二人で

社会見学に行ったり。

 

いつの間にか 靴を

きちんと揃えられるようになっていて。

 

 

そんな今までの風景や会話が

掃除機をかける私の頭の中を、

浮かんでは消え。

 

 

窓の側にある観葉植物の

沢山のワインの栓は、

親としての成長を

見つめてくれていた証。

 

 

 

ああ、こんな毎日を

慈しむために

今までがあったのだと思うと、

 

きつかった満員電車での通勤も

掃除も食器洗いも

やっぱり大切な時間だと思うのです。

 

 

午前中の私の講座が終わると

「飯、いこ。

俺が出すから。」との一言に、

 

 

“強く優しい子の母になれて

幸せでした。”という

言葉が思い出され、

息子の顔が見れなくて。

 

 

 

外は大荒れの今夜。

 

我が家はあの日のように暖かい。

今夜は家族で

それぞれの誕生日を噛みしめます。